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ゆらり たゆたう暮らし

【月の砂漠をさばさばと(北村薫)】大切だからこそ保たれる距離

【月の砂漠をさばさばと(北村薫)】大切だからこそ保たれる距離

小児科に来ています。

私と息子の横に中学生くらいの男の子、その少し先に男の子のお母さんが座っています。
待合室でも、診察室前でも、その親子は離れて座っていました。
(診察室前へ呼ばれたとき同時に立ち上がったので、二人が親子だとわかりました)

診察室前でも対角に座る二人のあいだに、あとから呼ばれた私と息子が座りました。

私より少し年上であろう先輩ママと、
息子の数年後を思わせる男の子のあいだで、
私に「今日の夕飯なに?」と無邪気に聞いてくる息子。

「ん〜、まだ考えてない。わかんないな。」
と小声で私。

かつてこの親子にも、私たちのように並んで座って他愛もない会話をした時間があったのだろうと想像します。
そして、いつか私にも、こんな風に息子との距離があいてくる時がくるだろう。
離れて座るときがくるのだろう。

 

子供の成長とともに、交わる視線や会話が減っていっても、離れてつながっていられることを疑わずにいたいと思うのでした。

息子の小児科での光景です。

 

* * *

 

病院や電車の中など、呼ばれるのを待っているときや、移動のときは、新しく読む本ではなく読み返しの本を持参します。
耳を働かせながら読まなければいけないので、余裕をもって読めるものをチョイスです。

今回、小児科の待合室で読んでいた本が『月の砂漠をさばさばと』でした。
(愛読書のひとつです!)
お母さんと女の子の間のゆるくてやわらかい時間と、リアルな良い距離感が描かれています。

読んでいた本の影響もあったのか、病院で近くにいた男の子とお母さんの空気に心がとまったのでした。

離れて座る親子をみていても、そこに寂しさのようなものは一切なく、むしろおだやかな空気が私の中を流れていきました。

母と子の「この時期のちょうどよい距離感」を感じられたような気がします。

(今のところ、息子はまだ私にピッタリしています。笑)

 

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